「いとしきエブリデイ(Everyday)」
最近、ちょっと忙しかったのでWOWOWで録画してそのまま放置しておいた本作をようやく鑑賞。
マイケル・ウィンダーボトム監督、ジョン・シム出演だから大いに期待して観出したらオープニングでもうノックアウト。その直後に音楽がマイケル・ナイマンであることに気づく。この豪華メンバー、名作は保証されたようなもの。
「なんでこれ劇場で見逃したんだろう?」
そして最初のシーン。
「あ、これ見てた・・・。」
歳はとりたくないものです。
さて、イギリス映画には(特に戦後から)、市民の日常生活をありありと描いたリアリズムの流れがあり、ケン・ローチなどはその代表ですが、本作もそんな感じ。とにかく宇宙人やらカーチェイスやら殺人事件やら派手なことは一切起こらず、ドキュメンタリーのように普通の日常生活がたんたんと描かれます。
こう書くとすごく地味でつまらないように聞こえるんですが、うん、ひょっとしたらそうかもしれない(ジョン・シムなんか地味の代名詞みたいなもんだし、笑)。特に「映画は非日常的なもので見てスカッ!するものだ」っていうハリウッド的なものを期待している人には。もちろん、それはそれでアリかなと。
本作はリアリズムの手法で日々の生活を再現して「ああ、そうそう」という共感を作りつつ、「みんな同じ日常を生きているんだよ」というのがメッセージなのかな、と思いました。
こういう映画が、しかもビッグネームの人たちによってきちんと作られる、っていうところに層の厚さを感じますね。